伊豆大島・三原山登山ガイド|0泊2日で行くお鉢巡り・裏砂漠・赤ダレ【東京発】

伊豆大島・三原山では、黒い火山大地が広がる裏砂漠、荒々しい地形の赤ダレ、巨大な火口を巡るお鉢巡りなど、普段の登山とは違った絶景を楽しめます。この記事では、0泊2日で実際に三原山を歩いた体験をもとに、東京からのアクセス、登山ルート、所要時間、装備、費用、注意点を詳しく紹介します。

裏砂漠
裏砂漠
オオシマツツジと三原山
オオシマツツジと三原山

この記事では、2024年春に実際に伊豆大島を訪れ、三原山を歩いた体験をもとに、アクセスから登山ルート、所要時間、装備、費用、注意点まで紹介します。
今回歩いたのは、「三原山頂口 → 表砂漠 → 赤ダレ → お鉢巡り → 裏砂漠 → 大島温泉ホテル」というルートです。

天気に恵まれ、三原山からは富士山や伊豆半島を眺めることもできました。また、三原山だけでなく、地層大切断面や波浮港、泉津の切通しなど、伊豆大島ならではの観光スポットも紹介します。

目次

この記事でわかること

  • 東京から伊豆大島へ0泊2日で行く方法
  • 三原山の基本情報と噴火の歴史
  • 三原山のお鉢巡り・表砂漠・裏砂漠・赤ダレを歩くルート
  • 実際に歩いた所要時間
  • 三原山登山に必要な服装・装備
  • 船・バスなどの交通費
  • 三原山登山の注意点
  • 地層大切断面、波浮港、泉津の切通しなどの伊豆大島観光スポット

三原山とは?

伊豆大島の中央部にそびえる三原山は、島を代表する火山です。現在の最高地点である三原新山は標高758m。

山頂付近には大きな火口があり、その火口を一周する「お鉢巡り」が三原山登山の代表的なコースになっています。

伊豆大島は火山活動によって形成された島で、三原山周辺では溶岩や火山灰、スコリアなど、火山が作り出した独特の景観を見ることができます。

特に、黒い火山噴出物に覆われた「裏砂漠」は、一般的な砂丘や砂浜とは異なる、三原山ならではの景色です。気象庁によると、三原山の山頂火口は約800mあり、その中央には直径約300mの竪穴状火孔があります。

伊豆大島は現在も活火山として扱われているため、登山前には最新の火山情報も確認しておきましょう。

参考:気象庁「伊豆大島」
https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/317_Izu-Oshima/317_index.html

三原山の噴火の歴史

三原山では、過去に何度も噴火が発生しています。代表的な噴火として知られているのが、1777年から1792年頃にかけて発生した安永噴火です。

その後も、1912~1914年、1950~1951年、1986年などに中規模以上の噴火が発生しています。

特に1986年の噴火では、山頂噴火に続いて割れ目噴火が発生。溶岩流などによる影響を避けるため、伊豆大島の島民全員が島外へ避難することになりました。現在の三原山では、こうした過去の火山活動によって形成された溶岩や火山噴出物を間近に見ることができます。

三原山が「御神火」と呼ばれてきた歴史もあり、単なる登山スポットではなく、伊豆大島の人々と火山との関わりを感じられる場所でもあります。

参考:気象庁「伊豆大島の火山活動史」
https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/317_Izu-Oshima/317_history.html

日帰り・モデルコース(夜行船→三原山→熱海)

筆者の行程は、船中泊を含めて宿泊施設を使わない「0泊2日」型です。土曜の朝に到着して山を歩き、夕方のジェット船で熱海へ抜けます。

時刻行動備考
金曜 22:00竹芝桟橋から夜行の大型客船に乗船(2等)現行ダイヤ(2026年)は竹芝22:00発(10/1〜2027/1/31)。
9月は23:00発の日もあります
土曜 早朝 (6:00頃)大島・岡田港に到着現行ダイヤは6:00着。
着岸港(岡田港/元町港)は当日の海況で決まります
6時過ぎ大島バスで岡田港から三原山頂口へ着岸港からバスが待機しています。目的のバスにすぐに乗り込みましょう。
6:30~15:00三原山頂口を出発。表砂漠→赤ダレ→お鉢巡り→山頂(三原神社)→裏砂漠→大島温泉ホテル歩行時間は休憩込みで約6時間(筆者)
15:00バス停「三原山温泉」から岡田港へ筆者は入浴せず、そのままバスで港へ戻りました
16:00岡田港から熱海行きのジェット船に乗船現行ダイヤは、9月が16:00発(熱海16:45着)、10/1以降が15:30発(熱海16:15着)。運航日によって伊東経由の便もあります
夕方〜夜熱海からJR在来線で帰宅熱海港から熱海駅まで連絡バスあり
東京駅までは新幹線又は東京上野ラインで直通。

帰りの熱海行きジェット船は夕方の1便が基本です。登山のペースはこの出港時刻から逆算して計画します。

東京から伊豆大島へのアクセス

行き:竹芝桟橋から夜行の大型客船

東海汽船の大型客船は、竹芝桟橋を夜に出て、翌朝6:00に伊豆大島へ着きます(2026年の公式時刻表)。筆者は2等(大部屋)を利用しました。船内で夜を過ごせるので、宿泊費をかけずに朝から動けます。出航後すぐは東京の夜景を楽しめます。

日中に渡りたい場合は、竹芝発のジェット船(約1時間45分)もあります。時刻は季節ダイヤで変わるため、東海汽船の公式時刻表で確認してください。

東海汽船
https://www.tokaikisen.co.jp/boarding/timetable/

竹芝客船ターミナル
さるびあ丸
二等客室(和室)

着岸港は当日決まる

各島の出港地は天候などで変更されることがあります。大島には元町港と岡田港があり、その日の海況でどちらに着くかが決まります。筆者の便は往復とも岡田港でした。波風が強い日は岡田港になる傾向があるようです。

バスの時刻も着岸港に合わせて変わるので、当日の運航状況を確認しておきましょう。

岡田港
岡田港ターミナル

島内の移動:大島バス

登山口の「三原山頂口」へは、大島バスの三原山ラインまたはレインボーラインで向かいます。下山地点の大島温泉ホテル前のバス停は「三原山温泉」です。片道1,090円程なので、三原山だけが目的の場合は往復運賃で十分ですが、民宿に一泊して、伊豆大島を観光したい場合は1日乗車券(大人2,500円・2026年時点)もあります。

大型客船の早朝入港に合わせて、大島公園経由の温泉ホテル行きなど、接続バスが用意されています。下船後は早めにバス乗り場へ向かうのがおすすめです。

帰り:岡田港から熱海へジェット船

帰りは、岡田港から熱海行きのジェット船に乗りました。熱海までは約45分で、熱海からはJR在来線で帰宅しました。

帰りのジェット船
熱海駅行きの連絡バス

見どころ・登山ルート・難易度

三原山登山ルート

今回歩いたルートは、三原山頂口→表砂漠→赤ダレ→お鉢巡り→裏砂漠→大島温泉ホテルです。

一般的な三原山のお鉢巡りコースとは一部異なるため、距離については公式コースの数字をそのまま今回のルートに当てはめないよう注意してください。今回の実際の所要時間は、休憩や写真撮影を含めて約3~4時間でした。歩いた距離はGPSログなどで再確認したうえで記載するのがおすすめです。

実際のStrava登山ログ
実際の登山ルート
三原山登山MAP
表砂漠コース(ピンク)からお鉢巡り、温泉ホテルコースの順に観光

参考:伊豆大島ジオパーク・ハイキング情報
https://izu-oshima.com/trail

三原山頂口

三原山登山のスタート地点の一つが三原山頂口です。ここから三原山の山頂方面へ向かいます。三原山は標高758mですが、登山口から山頂までの標高差は大きくありません。

そのため、一般的な高山登山と比べると「標高の割に登りやすい」山です。一方で、火山特有のスコリアや溶岩が広がる場所もあるため、足元には注意が必要です。出発前にトイレを済ませておくと安心です。

三原山 山頂口
三原山山頂口から三原山
オオシマツツジと三原山
オオシマツツジと三原山

表砂漠

三原山周辺では、黒い火山噴出物に覆われた独特の景観を見ることができます。その一つが表砂漠です。

一般的な砂漠のような細かい砂が広がっているわけではなく、火山活動によって生まれた黒いスコリアなどが地表を覆っています。青空の下では、黒い大地と空のコントラストが非常に印象的です。

私が訪れた日は天気がよく、開けた景色を楽しみながら歩くことができました。

表砂漠から三原山方面
表砂漠から三原山方面
表砂漠から伊豆諸島方面
表砂漠から伊豆諸島方面

赤ダレ

今回のルートでは、表砂漠から赤ダレ方面へ向かいました。赤ダレは、火山地形によって形成された荒々しい景観を見ることができる場所です。周辺は「三原キャニオン」と呼ばれることもあります。火山の大地が大きく削られたような景観は、一般的な山の登山道とはかなり雰囲気が異なります。

ただし、赤ダレ周辺には崩落の危険がある場所があります。景観を見るために崖の縁へ近づきすぎるのは避け、安全な場所から見学してください。

赤ダレの説明板
赤ダレの説明板
赤ダレ
赤ダレ

お鉢巡り:火口をぐるりと一周

お鉢巡りは、山頂の火口を一周する遊歩道です。遮るものがない大地と、火口の大きな穴を間近に見られます。火口の縁は足元が溶岩やスコリア(砂利)の道になり、舗装された山頂遊歩道とは歩き心地が変わります。筆者が歩いた日は晴天で、富士山と伊豆半島、伊豆諸島も神津島まで見渡せました。

三原山火口
三原山山頂
太平洋越しの富士山
太平洋越しの富士山
伊豆諸島方面の展望
伊豆諸島方面の展望

三原神社:鳥居越しの富士山

山頂付近には三原神社があります。しゃがんで見ると鳥居の奥に富士山が見える構図が見えます。そばには火口から流れてきたとされる巨大な溶岩があり、周辺には1986年の溶岩が固まってできたゴジラ岩など、形の面白い溶岩も見られます。

鳥居の奥に富士山
しゃがんで見ると鳥居の中に富士山
鳥居の中の富士山

裏砂漠:国土地理院の地図に唯一載る「砂漠」

裏砂漠は、国土地理院の地図に日本で唯一「砂漠」と記載されている場所です。噴火で降り注いだマグマのしぶきが大地を焼き、風が強く植物が根づきにくいため、黒い砂の広がる景色になっています。山頂から裏砂漠を見下ろす景色も、ぜひ写真に残したいポイントです。

裏砂漠、右方が三原山
裏砂漠、右方が三原山
裏砂漠
裏砂漠

ゴール:大島温泉ホテル

下山地点の大島温泉ホテルは、日帰り入浴(大人800円・2026年時点)ができます。帰りのバスまでは十分余裕があるので、入浴してからバスで港へ戻るのもありです。5月頃になるとオオシマツツジも咲いて見ごろになります。

装備・持ち物チェックリスト

持ち物理由
歩きやすい靴(ハイキングシューズ・登山靴)気象庁も、山頂遊歩道に足場の悪い所があるため推奨しています
帽子・日焼け止め・サングラスコースに日陰がほとんどありません
飲み物・行動食コース上の売店はありません。事前に用意します
防寒具・ウィンドブレーカー山頂付近は風が強くなりやすい場所です
雨具天候が変わりやすい島です。雲の動きも早く、天気の変化に要注意です。
手袋(あれば)溶岩は尖っているため、転倒時のけが防止になります
ヘルメット(三原山頂口で無料貸し出し)突発的な噴火への備えとして、貸し出しが案内されています
酔い止め・耳栓・アイマスク夜行船の2等(大部屋)で休むときにあると便利です
モバイルバッテリー写真・地図アプリで電池を消耗しやすい行程です
登山届登山するにあたって必須。ネットからでもいいので提出しましょう

コース上のトイレは、火口展望台付近にあります。歩き始める前に、三原山頂口でも済ませておくと安心です。

費用まとめ

筆者の実費は後から追記します。参考として、2026年9月時点の公式運賃を併記します(運賃は月ごとに改定されます)。

項目参考(2026年9月時点)
竹芝→大島 大型客船 2等(片道)6,430円
大島→熱海 ジェット船(片道)6,620円
大島バス(岡田港→三原山頂口)1,090円
大島バス(三原山温泉→岡田港)同上
熱海→自宅(JR在来線)2,090円
食事・飲み物—
合計16,230円

参考までに、大島温泉ホテルの日帰り入浴は大人800円です(筆者は未利用のため、合計には含めていません)。

おすすめの訪問時期

時期特徴
春(3〜5月)天気に恵まれ、富士山や伊豆半島まで見ることができます。5月はオオシマツツジも開花し見頃です。
夏(6〜8月)日陰がほとんどないため、熱中症対策が必須です。飲み物を多めに用意したほうがよいです。
秋(9〜11月)暑さが落ち着き、比較的歩きやすい季節です。
紅葉だけを目的とする登山とは違いますが、火山景観を楽しむには適した季節です。
冬(12〜2月)空気が澄んで遠くまで見渡せる日がある一方、強風になることがあります。
防寒着をしっかり用意しておきましょう。

どの季節でも、風の弱い日を選ぶと歩きやすくなります。出発前に天気予報と船の運航状況を確認しましょう。

注意点

  • 火山情報の確認:伊豆大島は活火山です。噴火警戒レベルは2026年3月時点で「1(活火山であることに留意)」でした。登る前に気象庁の最新情報を確認してください。
  • 船の欠航・着岸港の変更:荒天では欠航や、着岸港の変更があります。バスの時刻も連動して変わります。
  • バスの本数:三原山ラインは本数が少ない(1往復/日)ため、行き帰りの時刻を事前に確認します。山頂口14:40発が最終便です。
  • 帰りのバス・船から逆算:熱海行きジェット船は夕方の1便(16:00発)が基本です。登山の遅れが帰路に響くため、時間に余裕を持ちましょう。
  • 足元:溶岩(スコリア層)は尖っていて、転ぶと大けがにつながります。ペースを落として歩きます。
  • 裏砂漠は迷いやすい:広くて道が分かりにくい場所とされています。案内板とルートをこまめに確認し、不安ならスマホなどGPSも活用しましょう。
  • 大島温泉ホテルの休館:2026年10月5日〜9日は、館内整備のため日帰り入浴・宿泊とも休館です。訪問前に公式情報を確認してください。

山以外のおすすめスポット(2018年頃の訪問)

ここからは、登山とは別の旅行で訪れたスポットです。掲載の写真は当時のもので、現在も大きな変更はないと筆者は判断していますが、訪問前に最新情報を確認してください。

泉津の切通し

階段の両脇に大きな木がそびえ、木漏れ日が差す静かな雰囲気です。場所が分かりにくいため、案内板を確認して向かいます。

泉津の切通し

地層大切断面

島の南西部の海沿いにある、縞模様の地層の断面です。高さ約24m、長さ約630mにわたり、約1万8000年間・100回を超える大規模噴火の堆積物が積み重なっています。地元では「バウムクーヘン」にたとえられる景観で、大島一周道路沿いから見られます。

地層大切断面
地層大切断面

波浮港

波浮港は、9世紀の噴火でできた火口に雨水がたまった火口湖が起源です。1703年の元禄関東地震の津波で海とつながり、江戸時代末期の1800年に秋広平六が港口を広げて現在の港になりました。川端康成の小説『伊豆の踊子』にゆかりのある港町で、古い建物が残る散策が楽しめます。

波浮港
波浮港

港鮨のべっこう寿司

伊豆大島の郷土料理として知られているのが「べっこう寿司」です。島唐辛子を使った醤油に魚を漬け込んで作る、伊豆大島ならではの寿司です。私は旅行で波浮港周辺の「港鮨」でいただきました。

魚を醤油に漬け込むことで、通常の寿司とは違った味わいを楽しめます。港鮨の営業時間などは変更される可能性があるため、訪問前に最新情報を確認してください。

べっこう寿司
べっこう寿司
べっこう寿司

まとめ

  • 東京の竹芝から夜行船で渡り、熱海へジェット船で抜ける行程なら、宿泊なしで三原山を歩ける
  • 三原山頂口から表砂漠・赤ダレ・お鉢巡り・裏砂漠を経て大島温泉ホテルへ抜けるルートは、休憩込みで約3〜4時間
  • 春の快晴の日は、山頂から富士山や伊豆半島まで見渡せた
  • 船の欠航・着岸港の変更、バスの本数、噴火警戒レベルを事前に確認する
  • 帰りの熱海行きジェット船は夕方の1便が基本なので、時間から逆算して歩く
  • 山以外では、地層大切断面・波浮港・泉津の切通し・港鮨のべっこう寿司もおすすめ

伊豆大島旅行の最新情報

船の時刻・運賃は東海汽船公式サイトで確認できます。

東海汽船
https://www.tokaikisen.co.jp/

伊豆大島のバス路線・運賃については大島バス公式サイトを確認してください。

大島バス
https://oshima-bus.com/

三原山の火山活動については、気象庁の最新情報を確認してください。

気象庁「伊豆大島」
https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/317_Izu-Oshima/317_index.html

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